私たちの生活に密接している食品添加物。
その中には、適量を守れば安全と言われるものもあれば、摂り過ぎによって健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されているものもあります。
特に、子どもたちが好んで食べる食品に含まれる添加物には注意が必要です。
この記事では、摂取し過ぎると危険な添加物と、それらが含まれる食品について詳しく解説していきます。
毎日の食事選びの参考にして、家族の健康を守りましょう。
添加物とは?
そもそも、添加物って何?
添加物とは、以下のように定義されています。
『食品添加物』とは食品の製造過程で、または食品の加工や保存の目的で食品に添加、混和などの方法によって使用するもの
人工的につくった添加物や、もともと自然界にあった添加物もあります。
添加物は食品の加工や保存のための化学物質なので、薬品と同じと思ってください。
粉ミルク製品には、いろいろな食品添加物が含まれています。
添加物って、どれも危険なのでは?
食品添加物ってワード、危険なイメージがありますよね。
でも、ちゃんと国で決められた添加物だけを使用するようになっているので、安心してください。
原則として、食品衛生法第12条に基づいて、厚生労働大臣の指定を受けた添加物(指定添加物)だけを使用することができます。
指定添加物以外で添加物として使用できるのは、既存添加物、天然香料、一般飲食物添加物のみです。
添加物って473種類もあるんです。
どんな添加物があるのかは、
日本食品化学研究振興財団のHphttps://www.ffcr.or.jp/tenka/list/post-11.htmlをご覧ください。
食品添加物のいいところ
先ほども書きましたが、
添加物というのは食品の加工や保存のための化学物質なので、薬品と同じと思ってください。
薬って、人の暮らしを豊かにするものですよね。
食品添加物も同じように考えてください。
食品添加物がないと、すぐに食べ物が腐ってしまいます。
食中毒の被害が増大します。
食品添加物のおかげで、いろいろな味・香りを楽しめます。
食文化が豊かになります。
添加物って、悪者ではないのですよ。
食品添加物のよくないところ
ただ、薬は飲みすぎると体に良くないですよね。
食品添加物も同じです。
どの食品添加物も、1日の上限摂取量が決まっています。
例えば、塩。
一度に200グラム以上の塩を摂取すると死んでしまいます。
これは極端な例でしたが、どんな添加物でも摂取上限があるのです。
摂取しすぎると危険な添加物について
厚生労働省が許可しているといっても、
それでも添加物って悪いイメージをもたれる方もいると思います。
そこで、添加物で、摂取しすぎると人体に悪影響を及ぼす主な添加物を調べました。
パーム油
パーム油は、アブラヤシという植物から採れる食用油。
主にマレーシアのプランテーションで収穫されます。
プランテーションが環境問題・労働問題につながっているとも言われますが、
今回はパーム油そのものについて解説します。
パーム油は、菜種油やトウモロコシ油などと同じ植物性の油です。
菜種油やトウモロコシ油は安価なので、日本にもたくさん出回っていたのですが・・・。
この2つの油はトランス脂肪酸を発生させてしまうのです。
世界保健機関であるWHOは、人工的なトランス脂肪酸を撲滅するよう世界に呼び掛けています。そこで、トランス脂肪酸を低減させることができるパーム油が、注目されてきました。
しかし農林水産省から、パーム油について下記のような報告がありました。
トランス脂肪酸が多く含まれる硬化油脂を、別の硬い性質を持つ油脂(例えばパーム油などど)に代替すれば、トランス脂肪酸は低減できますが、すでに平均的に見て取りすぎの傾向にある飽和脂肪酸の含有量を大幅に増加させてしまう可能性があります。
米国農務省は、食品事業者にとってパーム油はトランス脂肪酸の健康的な代替油脂にはならないとする研究報告を公表しています。
つまり、パーム油は飽和脂肪酸を増やしてしまう働きがあるのです。
飽和脂肪酸のとりすぎは、肥満や生活習慣病につながります。
また、パーム油はほとんどを海外からの輸入に頼っています。
輸入は長時間の船上輸送なのですが、輸送中に酸化を防ぐためにBHAという食品添加物が用いられています。
このBHAは、食品衛生調査会が発がん性があると確認しているのです。
パーム油が含まれる主な食品
パーム油は、多くの食品に使われています。
子どもがよく口にする食品としては、
- スナック菓子
- ラーメンなどの麺類
- パン類
などが挙げられます。
食品の成分表を確認して、植物性油と書いていてる場合でも、
『パーム油』が使われている場合もあります。
このような食品を過剰に摂取することは注意です。
亜硝酸ナトリウム
発色剤として使われる食品添加物が亜硝酸ナトリウム。
食品に「発色剤」と聞くと、とても違和感がありますが、
この発色剤である亜硝酸ナトリウムが入っていないと、時間が経つと、
鮮やかな色があせて、黒ずんできてしまい、
美味しそうに見えなくなってしまうとの理由から、亜硝酸ナトリウムを使用することが多いです。
亜硝酸ナトリウムは毒性が強く、
食肉に含まれるアミンという物質と結びついて、
ニトロソアミン類という発がん性物質に変化することによって、
摂取し続けると、がんになる可能性が高まります。
亜硝酸ナトリウムが含まれる主な食品
子どもがよく口にする食品としては、
- ハム
- ソーセージ
- たらこ
などが挙げられます。
子どものお弁当にハムやソーセージは多く使いますよね。
ただ、使い過ぎには注意しましょう。
カラギーナン
天然に存在する海藻から抽出されて、
とろみをつけたゼリーを固めたりするために「増粘多糖類」としてたくさん使われています。
天然でとれた添加物なので、安全だと思いますよね?
でも、違うんです。
腸内で分解された分解カラギーナンに発がん性があります。
これまで、人間にはカラギーナンを分解できる腸内細菌がいないので発がん性は不明とされてきましたが、最近の研究でカラギーナンを分解する腸内細菌が見つかり、ますます発がん性が疑わしくなってきています。
カラギーナンが含まれる主な食品
子どもがよく口にする食品としては、
- アイスクリーム
- ゼリー
- ジュース
- ソース
などが挙げられます。
子どもたちが好きなものばかりなので、採りすぎ注意です。
アスパルテーム
アスパルテームとは、人工甘味料の一種です。
砂糖と比べてカロリーも低いので、健康食品にも多く用いられています。
しかし添加物は添加物なので、摂取の仕方は気をつけなければいけません。
アスパルテームは現在米国、欧州、アジア、アフリカ、オセアニアなど120以上の国で1万品目を超える食品・ダイエット食品・医薬品などに使用されるほど普及しています。日本でも約600品目に使用されています。砂糖(蔗糖)の160~220倍の甘味を持つため少量でも十分で、ほとんど無視できるカロリー(4kcal/g)です。その味は「後甘味でわずかに後引きがあり、砂糖に近く柔らか」だと評されています。甘く感じられるのはフェニルアラニンとアスパラギン酸は共にL体1)でなければならず、それ以外の場合は苦く感じられます。
現在アスパルテームは世界の120以上の国で使用され、70以上の公的機関が、その安全性を保障しています。しかし、生まれ故郷の米国では、FDA(食品医薬品局)に食品添加物として認可を申請する前から、論争の的になっていました。現在でも数多くの現代病の原因とされ、健康被害を訴える多くの人々が訴訟を起こし、少なからぬ数の科学者や医師がその危険性を科学的見地から、本やインターネットを通じて訴え続けています。残念なことに日本人の多くが、こういった事実を知らずにアスパルテームの入った食品を口にしています。
アスパルテームの安全性を巡る疑惑の原因は、その構造にあります。アスパルテームは天然には存在しない化合物です。経口摂取されると小腸でフェニルアラニン(50%)とアスパラギン酸(40%)というアミノ酸と有毒なメタノール(10%)に分解(消化)・吸収されます。その後、通常のアミノ酸と同じ様にタンパク質に合成されたり、脱アミノ化された後にエネルギー源として分解されたりします。そのそれぞれの成分が健康被害をもたらすと考えられています。
体内で分解されたメタノールは猛毒です。
メタノールが様々な健康被害をもたらしていしまいます。
アスパルテームが含まれる主な食品
子どもがよく口にする食品としては、
- ジュース
- ガム
- キャンディー
などです。
甘いものは子どもたちが大好きでどんどん食べてしまいます。
大人が管理してあげましょう。
アセスルファムK
アセスルファムも、アスパルテームと同じく人工甘味料です。
アセスルファムは体内でほとんど消化されませんが、製造工程での問題があるようです。
安全性で問題なのが、製造工程で発がん物質の塩化メチレン(ジクロメタン)を溶媒として用いていることです。塩化メチレンは有機溶媒としてさまざまな物質を溶かす性質を持っています。しかし、毒性が強く印刷工場などで働いている人に胆管癌を発生させたことから、厚労省も正式に発がん物質として認めました。IARC(国際がん研究機関、International Agency for Research on Cancer3))の発がん性リスク評価4)でも、2014年Group2B(ヒトに対する発がん性が疑われる)からGroup2A(ヒトに対するは発がん性がおそらくある)に降格された発がんの危険性が高い物質です。塩化メチレンは肺・消化管から吸収されます。体内では代謝を受けず、肝臓から胆汁として便中に、腎臓から尿中に排泄されます。そのような毒性の強い発がん物質を溶媒として用いているのです! 塩化メチレンが不純物として入り込んでくる可能性はないのでしょうか?
アセスルファムKが含まれる主な食品
子どもがよく口にする食品としては、
- キャンディー
- グミ
- ガム
- ジュース
などです。
甘いものは、怖さもありますね。
合成着色料
「日本料理は目で食べる」と言われるほど、食事では見た目を気にする日本人。
食材の色を付けるのに、合成着色料という人工的な添加物が使われていることがあります。
多量に摂取すると、アレルギー症状を引き起こしたり発がん性があったりするものがあるので注意が必要です。
合成着色料が含まれる主な食品
子どもがよく口にする食品としては、
- お菓子全般
- ジュース
- カステラ
などが挙げられます。
子どもは、見た目で美味しそうなものと判断します。
その色は、人工的に作られた色なので採りすぎ注意です。
安息香酸ナトリウム
安息香酸ナトリウムは、食品の腐敗を防ぎ、カビや細菌の増殖を防ぐための保存料として使われています。
しかし、大量に摂取すると危険を伴います。
詳しくは、以下の資料をご覧ください。
安息香酸ナトリウムは最も危険な添加物として有名です。
安息香酸ナトリウムのみを大量に摂取することも、もちろん健康を害する要因になりえますが、その他にも、安息香酸ナトリウムと一緒に、ビタミンCなどの酸を摂取すると、猛毒のベンゼンが生成されることがあります。
ベンゼンは、発がん性があり、白血病を引き起こすリスクがある物質ですので、健康のために、安息香酸ナトリウムは避けなくてはならない添加物だと言えると思います。2006年には、イギリスなどで、清涼飲料水中の保存料である安息香酸と、酸味料、酸化防止剤として使用されるアスコルビン酸が、ある条件下で反応しベンゼンが生成すること、市販製品中にベンゼンが低濃度検出されること等が公表され、イギリス等ではベンゼン10ppbを超える製品の自主回収が要請されたという事象があり、それを受け、厚生労働省でも市場に流通する清涼飲料水の市販品で、安息香酸とアスコルビン酸の両者が添加されているものを検査し、31商品中1商品から、水道水のベンゼンに関する基準値である10ppbを超えてベンゼンが検出されたとの報告がされています。
安息香酸ナトリウム|避けた方がよい添加物 (whitefood.co.jp)より引用
安息香酸ナトリウムが含まれる主な食品
子どもがよく口にする食品としては、
- 清涼飲料水
- マーガリン
- シロップ
などです。
マーガリンは、毎日食べるというご家庭もあるのではないでしょうか。
マーガリンを毎日大量に食べることはリスクがありますよ。
ソルビン酸カリウム
ソルビン酸カリウムは、細菌やカビの発生・増殖を抑える働きがあります。
腐敗防止として、よく使用されている食品添加物の1つです。
他の添加物との組み合わせによって、発がん性のリスクがあります。
ソルビン酸カリウムは、単体でも危険性があると言われています。
さらに、他の食品添加物との組み合わせにより、発がん性が指摘されています。
特に、亜硝酸との組み合わせが危険視されており、ハムやソーセージなどの加工品には両方含まれていることがあるため、気を付けなくてはなりません。ソルビン酸カリウム(保存料)|避けた方がよい添加物 (whitefood.co.jp)より引用
ソルビン酸カリウムが含まれる主な食品
子どもがよく口にする食品としては、
- ハム
- ソーセージ
- チーズ
- 市販の総菜や弁当
忙しい日は市販の総菜で済ませようという気持ちはよく分かります。
しかし、それが習慣化してしまわないように注意が必要です。
OPP
海外から輸入している果物類によく使われるのがOPP。
海外からの輸送途中で、果物が腐敗するのを防ぐために使われる添加物です。
OPPは、発がん性があると言われています。
OPPは、日本で農薬としての使用は禁止されていますが、食品添加物としての使用は認められています。
OPPの人体への影響は、発がん性の可能性が高いことです。
しかも、かんきつ類に塗布されたOPPは、果肉にも残留しています。私たちはそんな果物を摂取し続けるとどうなるのでしょうか。
当然、がんになる可能性は高くなりますよね。ラットを使用した毒性実験を東京都立衛生研究所が行いました。
OPPを1.25%含む混餌を投与させると、83%のラットに膀胱がんが発生しました。
またOPP-Naを2%経口投与させると、95%のラットに腎臓や膀胱がんを発生しました。
OPPが含まれる主な食品
子どもがよく口にする食品としては、
- 柑橘系の果物(外国産)
- 野菜類(外国産)
などが挙げられます。
国産より安い外国産の果物や野菜。
しかし、国産の果物や野菜とバランスよく購入することがいいでしょう。
臭素酸カリウム
臭素酸カリウムは、小麦粉処理剤として使用が認められている食品添加物。
小麦粉を原料として製造されるパンに使用される場合があります。
パンを焼く時の生地に臭素酸カリウムを添加すると、
パンの品質(膨らみ方や食感)よくなります。
臭素酸カリウムは、原則的に使っているかを表示しなくてよいです。
なぜなら、食品の完成までに分解または除去をしなければいけないからです。
だから、いつも食べているパンの製造過程には、
臭素酸カリウムが使用されている可能性があります。
臭素酸カリウムは、発がん性があると報告されています。
食品衛生法の下で以下のような使用基準が定められています。
- パンのみに使用できる
- 小麦粉1 kgにつき0.030 g以下(30 ppm)まで使用可(臭素酸換算で)
- 最終食品の完成前に分解又は除去しなければならない
※公定試験法で「検出せず」が求められる。検出限界は0.5 ppb(=0.0005 ppm。パン1 kgあたり0.0000005 g)
1980年代に発がん性が指摘され、日本における研究ではラットに対して発がんのイニシエーター(遺伝子そのものを傷害する作用)、プロモーター(発がんを促進する作用)の両方の作用を有するという結果が報告されています。このような知見から、臭素酸カリウムは遺伝毒性発がん物質であると考えられます。
臭素酸カリウムが含まれる主な食品
子どもがよく口にする食品としては、
パン類です。
毎朝の食卓に食パントーストが並ぶことは多いと思います。
ただ、食べすぎには注意が必要です。
BHA
BHAは、食品が腐ることを防止するために使われる添加物。
主に油脂性(酸化するから)の食品に使われています。
ブチルヒドロキシアニソール(BHA)は、動物用飼料、化粧品並びにゴム及び石油製
品に対して、抗酸化剤又は防腐剤として使用される。動物用飼料中のビタミンA及びE、
カロテン、動物性油脂等の酸化を遅くする目的で使用される。この他に、油脂を含む
食品に風味や香りの悪化を遅らせる目的で食品添加物として使用される。
海外では、米国、カナダ、EU等において飼料添加物又は食品添加物として広く使用
されている。
日本では、飼料添加物として指定されている。また、1954年に食品添加物に指定さ
れている。000395638.pdf (mhlw.go.jp)厚生労働省のデータより引用
BHAには、発がん性があるといわれています(人に対しては発がん性がないとも言われていますが)。
BHAが含まれる主な食品
パーム油を含む商品には、かなりの確率でBHAが使われています。
先ほど紹介したように、
パーム油を使っている食品は子どもたちが好きなものが多いです。
食べすぎには注意しなければいけませんね。
まとめ
以下は、摂取しすぎると健康に悪影響を及ぼす添加物を表にまとめたものです。
添加物 | リスク | 主な含まれる食品 |
---|---|---|
パーム油 | トランス脂肪酸の生成、心血管疾患リスク | お菓子、インスタント食品、ファーストフードなど |
亜硝酸ナトリウム | 発がん性、酸化作用によるリスク | ハム、ソーセージ、ベーコンなど加工肉製品 |
カラギーナン | 消化器官への影響、アレルギーリスク | プリン、ゼリー、加工食品など |
アスパルテーム | 代謝異常、頭痛、神経障害リスク | ダイエット飲料、低カロリー食品など |
アセスルファムK | がんリスク、代謝への影響 | ダイエット食品、低カロリー菓子など |
合成着色料 | アレルギー反応、注意力低下 | スナック菓子、清涼飲料水、アイスクリームなど |
安息香酸ナトリウム | 皮膚炎、喘息発作引き起こしリスク | 清涼飲料水、加工食品など |
ソルビン酸カリウム | 消化器官の炎症、アレルギーリスク | ジャム、チーズ、ソーセージなど |
OPP | 内分泌撹乱、ホルモンバランスへの影響 | レトルト食品、インスタント食品など |
臭素酸カリウム | 発がん性リスク、腎臓障害リスク | 焼き菓子、加工食品など |
BHA | 発がん性、神経毒性リスク | インスタント食品、スナック菓子など |
これらの添加物は、過剰摂取を避け、特に子供向けや日常的に摂取する食品では摂取量を管理することが大切です。
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